続・視点
入院してからよく夢を見る。ほぼ毎晩のように夢を見ている。
慣れない環境と痛みのせいで眠りが浅いからなのかもしれない。
ここ数日はそれほど嫌な夢を見ることはなくなったが、入院した直後は夢に魘されることが多かった。
魘された夢の中でも一番印章的だったのは昔、勤めていた職場の夢。
その職場とはある総合病院。もう10年以上も経つが、自分にとっては忘れられない職場の一つだ。
メインblogではその職場のことに何度か触れているので、その一つを参考までにリンクを貼っておく。
その病院は自分が今、入院している病院よりも病床数などは多いので、規模もそれなりだった。
総合病院を謳っているので多くのセクションがあり、セクション毎に様々な職種の人たちが働いていた。
病院で働いていた当時、自分自身が入院患者として病院で日々を過ごすことを想像できないでいた。
総合病院にはどのようなセクション(部署)があり、それらのセクション毎にどのような職種の人たちが支えているかを知る必要があった。
事務方として、病院の内側からそれぞれのセクションをある程度は把握していた。
今回、入院したことによって自分が内部から把握していたセクションを外側から見ることになったのは新鮮だった。
自分が病院に到着してくれたときに出迎えてくれたのは医事課の職員と救急外来の看護師。
休日だったので限られた人数しか居ないことはわかっていたが、痛みの苦痛を抱えながらも救急外来の看護師が仕事に追われていた姿が印象に残っている。
入院してから感じるのはメディカル職の人たちの忙しさ。
特にドクターが忙しいのは労働時間を把握することによって知っていた。
自分が病院で働いていた時の仕事内容は医療法人内のシステム保守も一つ。従業員の勤怠システムもその範囲だったから。
また、自分が働いていた病院の看護師、特に病棟の看護師は残業時間がそれほど多くなかった。
少なくとも自分が所属していた情報部の部員よりも残業時間は少なかったことに気がついた時はちょっと驚いた。
情報部は夜勤こそなかったが、システムにトラブルがあったときの対応のために365日交代での勤務を求められたし、休日でも自分が責任を持っていたシステムに問題があったときには何度も対応したものだった。
そんなこともあってか、組織内から見ていたときはドクター以外のメディカル職が激務だとは思えなかった。
だが、患者側から見るとただ忙しいだけではないことがわかった。
患者や患者の症状は様々。症状に合わせた医療行為や看護だけでなく、患者からの要望をある程度の水準でこなし続けるのは生半可なものではないだろう。
人の生死に関わるのでかなりのプレッシャーの中で、それらに対処するのは大変だろう。
入院直後は特に何もできなかった自分。彼らの手助けがなければ自分の病院での生活はすぐに行き詰まってしまっただろう。
彼らの働きぶりを患者の視点で見ることができたのは得難い経験になっている気がする。