マスヲの療養日記

大腿骨骨折の治療のための入院の日々についてを語ります

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 入院している病院の起床時間は6:00。

 いろいろな仕事、会社や組織を渡り歩いてきたが、出社時間が早かった勤務先もいくつかあった。

 はじめて会社員として勤めた会社は週に三度、2:00の出社が求められた。

 今、振り返るとぞっとする。

 50年生きてきてわかってきたのは、自分が朝方人間ではないことだ。

 と言っても、夜型人間でもない気がする。昼食を食べると午後も毎日のように眠くなる。

 そんな人間にとって、入院生活という共同生活はキツイ。

 

 急性期病棟の時は毎朝、起床時間が過ぎると看護師が見回ってきた。目が覚めていないと起こされたが、今の病棟に変わってからは見回りをほとんど見かけない。

 それでも朝食が7:30に出されるので、それまでには起きなければならないのが苦痛だ。

 朝食は食べなくてもいいから、週に一度くらいはのんびりと朝寝をしたいものだ。

 

 そんな環境のおかげで入院する前よりも早起きする日々。

 今、自分が寝ているベッドは窓側でその窓は南向き。窓にかかっているカーテンは手が届く距離だ。

 起床してカーテンを開けるとまだ外はほの暗い。外を眺めると住宅地が広がっているが、その時間に明かりが灯っている家はまばらだ。

 自分が今、世の中では早起きに分類されるだろう。

 

 右足の状況だが回復は順調だ。

 主治医から体重の1/2までは負荷をかけることが許可された。

 立っていうるときも、松葉杖で歩くのでも1/3と1/2ではかなり感覚は違うし楽だ。

 

 一昨日のリハビリでは病院の外を15分ほど歩いた。

 外気に触れたのは入院してからはじめて。

 この時期らしい冷え込んだ朝だったが、それほど寒さを感じなかった。

 歩くのが新鮮だった。リハビリ室、病棟の廊下や病室と違って完全にフラットなところは僅かなことを知った。

 ほとんどの箇所はわずかでもどちらかに傾いていたり、凹凸していることに気がついた。

 松葉杖を突く両手と右足を意識して調整して歩くのが面白かった。

 

 昨朝は雪が降った。

 目が覚めてカーテンを開けると一面雪景色。

 少し心が浮きだったが、すぐに病院に通ってくるスタッフたちを思った。

 その日、自分と同じ日に手術した同士が退院していった。

 同士の彼が羨ましいような、羨ましくないような微妙な気持ち。

 彼は来週から全面的に仕事に復帰すると聞いていたから。

 

 病院の生活に窮屈さは感じてはいるが働きたくはない。

 ただ、それでも12月の入院費を支払って懐がさらに寂しくなったのは重大な事実。

 おそらく今回の入院費の総額は100万を超すだろう。

 昨日までに、そのうちの1/2を支払った。

 だから、お金がない。お金が……。